論 文
日本ノルディックウォーキング振興会は、ノルディックウォーキングマイスターを中心に研究を行い、幅広く情報発信を行っています。
以下その一部を掲載します。さらなる詳細につきましては、各種学会誌にてご確認ください。
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ノルディックウォーキング講座による短期間の運動介入が
中高齢者の体力特性に及ぼす影響
谷津祥一 祝原豊 辻川比呂斗 杉山康司
日本体育学会第68回大会@静岡大学/静岡県コンベンションアーツセンター
2017/09/08 - 2017/09/10
【背景】ノルディックウォーキング(NW)は、2本のポールの使用により歩行の安定、体力の向上が見られることから、幅広い年齢層に対してリハビリテーションやトレーニングとツールして用いられている。本研究では、一般公募で選ばれた幅広い年齢層に対しての体力測定を行い、介入頻度が少なく参加者の自発的なNWの実施を促す講座が、体力に及ぼす影響を検討した。【方法】被験者は、三島市がNW講座実施のため一般公募した中高齢者 男性24名、女性47名の計71名とした。歩行能力の変化を総合的に把握できる体力テストとして、立ち上がりテスト、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行の5項目を講座前後にて実施した。講座の期間は6週間で、2週間に1回の頻度にて計4回集合型講習を実施した。各講座の間は参加者に自宅で自主的なNWの実施をするよう指導し、NW習慣に関するアンケート調査を行うことで運動時間、頻度を集計した。【結果】今回の講座おいて、記録が向上した体力要素は、脚筋力、バランス能力、コーディネーション能力、持久性能力であるが、NWを実施した中で元々の体力レベルにより記録の向上に影響が出ることも明らかとなった。
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ノルディックウォーキング、ランニングにするとどうなる? :
ノルディックランニングの生理学的応答
杉山康司 長津恒輝 祝原豊 辻川比呂斗 谷津 祥一 富田 寿人
ウォーキング研究:21号, 17-25, 2017
The purpose pf present study was to clarify physiological response of Nordic running (N) and Nordic running with 500g weight poles (WN). The healthy six male subjects who regularly train for five days a week participated in this study. They familiar with Nordic walking and performed tests after practices of Nordic running with the treadmill. The subjects performed the speed exhaustion tests with treadmill under three conditions; Running (R), Nordic running (N), Nordic running with 500g weight poles (WN). Oxygen uptake (V02), heart rate (HR), perceived of exertion (OMIN scale), and blood lactate (La) were measured during experiments. Performance time under N and WN tested to be shorter compared with R in 5 out of 6 subjects, but there was no significance in V02peak, Lapeak of three conditions. OMNI scale of N and WN in submaximal speed were significantly higher than those of R. HR and V02 between 120 and 200m/min showed the tendency of WN>N>R. Calculating linear regression of V02-speed relationships, interception was significantly higher in N and WN than in R. The no significance was observed in Slope. The averaged parameters of WN was higher than those of N, but these were no significance. From these results, it is suggested that energy expenditure during Nordic running would be higher than running in submaximal exercise, but no significance in maximal exercise. Additionally, 500g weight pole might provide higher intensity in
Nordic running.
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関東エリアにおけるノルディックウォーキングの活動状況 :
Nordic walking East ネットワークに着目して
谷津 祥一 高井 敦子 柿岡 和彦 窪寺 昌子 井上 かおり 菊田 利秀 武藤 義弘
杉山 康司 祝原 豊 辻川 比呂斗 草田 陽子 草田 朗子 細山田 三保子
ウォーキング研究:20号, 157-161, 2016
【緒言】オーストリア国に駐在中、イギリスでノルディックウォーキング(以下、「NW」という)の指導者資格を取得し、主にウィーン市に所在する国際機関の職員に対してNW の指導活動をしていた本発表代表者(谷津祥一)が2010 年2 月に帰国した際に、「誠実に、嘘をつかず、争わず、競わず、相手を尊重しながら活動したい」と細山田氏(現会長)に呼びかけ、日本ノルディックウォーキング振興会を組織した。このモットーに賛同し「関東エリアのNW ワークを構築したい」と集まってくれた、地域密着型のNW 活動を進めていた仲間が中心となり「ノルディックウォーキングイースト」(以下、「NW-E」という)が2010年4 月に発足した。NW-E ネットワークの活動は2016 年4 月で6 年目を終え、延べ650 回6500 名を超える方々にNW を体験していただくことが出来き、単なるNW 体験会だけの会だけにとどまらず、地域を巻き込んでの活動、体力弱者の体力向上、NW-E ネットワークによるスポーツツーリズム・イベントサポートの実施、総合型スポーツクラブへの参画など幅広く活動している。そこで本発表では、NW-E ネットワークの活動と効果について報告・検証するとともに、NW-E ネットワーク活動の今後について考察する。
【活動】2010 年2 月に活動を開始した、日本ノルディックウォーキング振興会は国際基準にのっとったNW 普及・指導活動を開始するとともに、日本国内の指導者ネットワークを構築すべく活動を開始した。2010 年4 月に発足し、東京都内を中心に活動しているNW-Eネットワーク、その活動は2016 年4 月で6 年目を終え、延べ650 回6500 名を超える方々にNW を体験していただくことが出来き、その活動の拠点は、東京都新宿区、神奈川県横浜市、茨城県(水戸市千波湖・内原地区、ひたちなか市、常陸大宮市)へと広がっている。当初は「NW を体験して貰う」ことが第一目標であったが、回を重ねるごとに、それぞれの地域でのネットワークが構築され、それぞれの地域のリーダー・地域の特性に応じた活動となり展開されている。また、SNS を通じたネットワークも急速に広がっており、今後幅広く活動が展開されることが期待される。
【展望;考察に変えて】ヨーロッパから日本に伝わったNW は日本において独自の進化を続けている。NW-E ネットワークの活動について今発表にて再検証にすることによって、幅広いステージの対象者に対しての身体的NW 指導だけでなく、薄らいだ地域の結びつきがNW によって再構築することが出来ることわかった。今後、地域の特性に合ったNW-E ネットワークシステムを構築し、さらなる活動の幅を広げて行きたい。
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ノルディックウォーキング技能習得の初期段階における呼吸循環応答の特性
祝原豊 辻川比呂斗 谷津祥一 富田寿人 窪田辰政 伊賀崇人 杉山康司
ウォーキング研究:18号,53-58, 2014年
Nordic Walking (NW) is reported to consume more energy without straining the body, but is not known enough if it has the same effect for the entry-level people. This study was aimed to evaluate if the entry-level NW exerts the physiological effects. With eight subjects who had no experience of NW, we measured HR, V(・)O2 and RPE in normal walking (Wa) and three different conditions of NW: 1) after self-training after having watched NW, 2) after having received thirty-minute lecture of NW, and 3) after two-week self-training of NW. As a results, comparing with Wa, all three conditions of NW was confirmed 5 ~ 25% higher HR and V(・)O2 that proved to be consistent with the preceded studies. On the other hand, the RPE after the first watch of NW was significantly higher than the other two conditions (p<0.05). With above results, as the effects of NW was observed from the subjects even after relatively a short lecture and training, it was suggested that NW is an exercise that can be easily practiced to maintain and enhance the health even for the beginners.